体に良いだけでなく、環境にもやさしい食品として注目されている「プラントベースフード」。直訳すると「植物由来食品」という意味ですが、最近はもう少し広い意味で捉えられているようです。国によっても微妙に異なるプラントベースフードの定義や、基本的な考え方について紹介します。
プラントベースフードとは
プラントベースフード(plant based food)は、「植物由来の原材料を使用し、
畜産物や水産物に似せて作られていること」を特徴とする食品です。
植物由来の食品や飲料を取り入れる食事法という意味でも使われ、食の新たなムーブメントになりつつあります。
健康のために、野菜・果物・豆類などの植物性食品を積極的に食べている人も多いでしょう。プラントベースフードというと特殊な食事のように思えますが、知らず知らずのうちに実践しているかもしれません。
一方で、環境への配慮からプラントベースフードを選ぶ人も増えています。こちらは一部の動物性食品をプラントベースフードに置き替えることがポイント。肉・卵・乳製品などの畜産物の生産は、プラントベースフードに比べてエネルギー効率が悪いです。さらに、牛のゲップやおならは大量のメタンガスを発生させます。
そのため、動物性食品の代わりにプラントベースフードを選択することで、環境保護へつながるのです。
参照元:プラントベース食が地球環境に優しい3つの理由|植物性料理研究家協会
大豆は「畑のお肉」と呼ばれますが、生産にかかる環境負荷はまったく違います。肉の代わりに大豆ミートを食べることで、地球環境の保護につながるという考え方がプラントベースフードの根底にあります。
プラントベースフードの定義について
プラントベースフードの定義は時代とともに変化しており、日本と欧米でも若干の違いがあります。具体的にどのような食事を指すのか見ていきましょう。
日本では置き替えが前提
日本でプラントベースフードといえば、多くの場合、「畜産物の代替食品」を指します。消費者庁によれば、「植物由来の原料を使用し、畜産物や水産物に似せて作られていることが特徴」です。そういう意味では、伝統的な精進料理もプラントベースフードになりますね。
市場には大豆ミートやグルテンミートなどの代替肉をはじめ、植物性ミルク、植物性ヨーグルト、代替卵などの加工品が出回っており、一部の飲食店でこれらを使ったメニューも提供されています。しかし、2021年に行われたインターネット調査では、プラントベースフードの認知度は約2割。どんなものか内容まで知っている人は5%足らずで、ほとんどの人は聞いたことがある程度でした。
参照元:プラントベースフードに関する調査/アンケートデータベース(MyEL)
日本でプラントベースフードがあまり知られていない理由として、食品表示ルールのあいまいさが挙げられます。商品名に「肉」や「魚」を用いて良いのか、はっきりしなかったのです。なお、消費者庁の見解では、表示全体から一般消費者が誤認するような表示でなければ、景品表示法上は問題ないとされています。
世界ではダイエット法のひとつ
プラントベースフードは「ヴィーガニズム」から派生したとされ、ヴィーガンと混同されることしばしば。一方、プラントベースという言葉がマーケティングに使われた側面もあり、市場に普及させるための一般受けする定義も見受けられます。
近年、「植物由来の食べ物をとり入れたダイエット食」という意味でプラントベースフードという言葉が使われています。アメリカでは2010年代に健康志向の高まりとともにプラントベースフードを取り入れる人が増え、プラントベースフードは「野菜・果物・全粒穀物・種実類・豆類などの植物由来の原材料から作られるもの」と具体的に定義されました。
参照元:Plant Based Foods Association Certified Plant Based Claim Certification Program
ヴィーガンとの違い
肉や魚を含まない食品という点で、プラントベースフードとヴィーガン食は共通していますが、考え方の面では大きな違いがあります。
そもそもヴィーガンは、ヴィーガニズムに基づいた生活をする人を指します。ヴィーガニズムとは、「衣食住すべてにおいて可能な限り動物から搾取せずに生きるべき」という思想です。
参照元:Definition of veganism|The Vegan Society
日本では健康のためのヴィーガンも少なくありませんが、世界的にみれば「脱動物搾取」という精神的な目標達成に重きを置く人が主流。そのため、ヴィーガンは肉や魚はもちろん、卵・乳製品・蜂蜜といった動物由来のあらゆる食品を食べないだけでなく、皮製品やシルクなどの使用も避けるとされています。
一方のプラントベースフードは前述の通り、「植物由来の食品をとり入れたダイエット食」という認識が広まりつつあります。ヴィーガンのような特定の思想もストイックなイメージもないため、誰でも気軽に始められる健康食といえるでしょう。
ベジタリアンとの違い
植物由来の食品を中心に食べるという点においては、プラントベースフードはベジタリアン(菜食主義者)とも似ています。実はベジタリアンにも色々あり、ヴィーガンはベジタリアンの分類のひとつです。
ヴィーガンはベジタリアンの中でも食材を選ぶ基準が特に厳しく、「ピュア・ベジタリアン」と呼ばれます。他にも、植物性食品に加えて乳製品は食べる「ラクト・ベジタリアン」や、さらに卵もOKの「ラクト・オボ・ベジタリアン」など、さまざまなタイプがあります。
部分的なベジタリアンも存在し、肉は食べないけれど魚・卵・乳製品は食べる「ペスコ・ベジタリアン」、時々菜食も取り入れる「フレキシタリアン」など、新しい食のスタイルも広まっています。
プラントベースフードは、概念としては「フレキシタリアン」に近いかもしれません。食品としては「ラクト・オボ・ベジタリアン」や「ペスコタリアン」も安心して食べられるものになります。
参照元:ベジタリアンとは?日本ベジタリアン協会
Definitions – IVU – International Vegetarian Union
まとめ
プラントベースフードに厳格な食事のルールはありません。ただ植物由来の食品を積極的にとり入れることが、体と地球のためになる。そんな食事法や食品のことだと捉えていただければ良いのではないでしょうか。
例えば、夕食のお肉を大豆ミートに置き替えれば、たんぱく質と食物繊維を補いながら、脂肪やコレステロールは減らせます。健康のために、みんなが意識的に植物性食品を食べるようになれば、畜産物の供給量が減り、地球環境を守ることにつながっていくでしょう。
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