スポーツ系のアスリートのみならず、若い女性から高齢者までが意識するようになった「高たんぱく・低脂質」の食事ですが、注目の的となっている理由は一体何なのでしょうか。今回は、その理由を明らかにして、高たんぱく・低脂質の食品をご紹介します。食品の選び方や調理のポイントについてもマスターして、美と健康を手に入れましょう。
目次
「高タンパク・低脂質」はなぜ流行っているの?
かつてはボディビルダーやアスリートが体づくりのために取り組んでいた「高タンパク」の食事。
>>タンパク質が多い食材は?タンパク質が多い食べ物ランキング
しかし、今や若い女性や高齢者も美容や健康のためにプロテインや高たんぱくな食事を意識する人が増加中です。
この流行の背景には、“腹筋女子”や“筋肉体操”・“ジム通いのサラリーマン”といった「筋肉ブーム」があります。それに加えて、幅広い年代から「タンパク質が美と健康のベースになる」という認識が定着してきたことがあるようです。
「高タンパク・低脂質」のメリット
「高タンパク」「低脂質」のそれぞれのメリットについてご紹介します。
高タンパクで「満腹感」はアップ、食べ過ぎを減らす
高タンパク食は、満腹感を得やすく、食べ過ぎ防止に役立ちます。
高タンパクの食事を摂ると、小腸から「コレシストキニン(CKK)」というホルモンが分泌されます。コレストキニンの働きによって、満腹感を得やすくなるため、食べ過ぎを防げるのです。
また、三大栄養素の一つであるタンパク質は、そのほかの糖質や脂質に比べて最も脂肪になりにくい性質を持っています。つまり、同じカロリーを摂取するにしても、脂肪として蓄えられにくいのです。
さらに、タンパク質は中性脂肪を分解する酵素(リポタンパク質リパーゼ)を作る原料になります。そのため、ダイエッット中は積極的に摂りたい栄養素です
低脂質は生活習慣病の予防になる
私たちは日本にいながらピザやハンバーガーなど異国の味を手軽に楽しめるようになり、“飽食の時代”を生きています。そんな現代人の食事は「脂質」が過剰になりがちです。脂質の摂り過ぎは、中性脂肪や悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増加させ、肥満や脂質異常症などの生活習慣病を招きます。
また、コロナ渦によって外出頻度・運動量が減ったことも肥満のリスクを上げる一因となりました。健康増進を支援している会社「リンクアンドコミュニケーション」が健康管理アプリを利用している会社員約2800人を対象に行った調査によると、コロナ以前よりも2020年5月の時点で体重が増えた人は57%、体脂肪が増えた人は60%にのぼっています。
さらに、テレワークなどにより自宅時間が多くなると、食べる量が増えてしまうケースも。
買い出しの際は低脂質の食品を選んでストックしておくことで、少々食べる量が増えたとしても、エネルギーの摂り過ぎを防ぐことができるでしょう。
「高タンパク・低脂質」の食品とは?
消費者庁が定めている食品表示基準によると、「高タンパク」と表示するには、「食品100gあたりタンパク質含有量16.2g以上」、「低脂質」と表示するには「食品100gあたり脂質含有量3g以下」が基準とされています。
タンパク質は、筋肉をはじめ臓器や・髪の毛・肌・爪・細胞・ホルモンなど私たちのカラダを構成する材料として欠かせない栄養素です。タンパク質は約20種類のアミノ酸からできており、このうち9種類は私たちのカラダで作り出すことができないため食事から補給する必要があります(必須アミノ酸)。
この9種類の必須アミノ酸がバランス良く含まれている食品のことを「良質なタンパク質」というのです。
このバランスのを示す指標を「アミノ酸スコア」といいます。アミノ酸スコアが高いほど、体内への吸収率が高くなり効率的に体内で利用されるのです。
今回は、アミノ酸スコアが高く、低脂質な食品をご紹介します。ちなみにアミノ酸スコアの満点は「100」です。
干しダラ
干しダラ(可食部100gあたり)のタンパク質と脂質の含有量は以下のとおりです。
タンパク質 | 73.2g |
脂質 | 0.8g |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
魚の多くはアミノ酸スコア「100」の良質なタンパク質です。魚肉に含まれるたんぱく質は、肉類のタンパク質と比べて、すじの部分である基質タンパクが少なく、消化しやすい特徴があります。
また、魚の油に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)には、中性脂肪やコレステロールを低下させる作用があるため、脂質異常症・高血圧などの生活習慣病の予防にもおすすめの食材です。一方でお肉の脂は魚の脂と相反する働きがあるため、肉よりも魚を食べることが推奨されています。
なかでも干しダラは、高タンパク・低脂質な「タラ」をさらに乾燥させて水分を飛ばしている分、栄養素が凝縮され重量あたりのタンパク質量がかなり多いのが特徴です。お酒のつまみとして食べることが多い珍味ですが、口が寂しいときの間食にも向いています。
韓国では家庭の味“プゴク”(干しダラ入りのスープ)に使われており、旨味が出る食材として人気です。保存性も良いので、食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
春獲りかつお
春獲りかつお(可食部100gあたり)のタンパク質と脂質の含有量は以下のとおりです。
タンパク質 | 25.8g |
脂質 | 0.5g |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
魚介類のなかでも、高タンパク・低脂質なのが春に獲れたかつおです。ご覧のとおり、とってもヘルシーな栄養価を誇ります。寒い時期になるほど、魚は脂肪分を蓄えるため、脂がのってきます。秋に獲れたかつおの栄養価と比較してみましょう。
秋獲りかつお(可食部100gあたり)のタンパク質と脂質の含有量は以下のとおりです。
タンパク質 | 25.0g |
脂質 | 6.2g |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
なんと脂質の量は12倍にも跳ね上がってしまいます。魚に含まれる脂質は、体に良い油なので積極的に摂りたい油です。しかし、あくまで脂質なので高カロリーであることに変わりはありません。肥満などのリスクがある方は、食べ過ぎに注意が必要です。
そのため、高タンパク・低脂質の食材をチョイスするなら、春に獲れたかつおがおすすめです。
鶏のささみ
鶏のささみ(可食部100gあたり)のタンパク質と脂質の含有量は以下のとおりです。
タンパク質 | 23.9g |
脂質 | 0.8g |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
鶏ささみのアミノ酸スコアは、「100」であり、良質なタンパク質が含まれています。お肉料理をヘルシーに楽しみたいば場合は、鶏ささみを使うのがおすすめです。
大豆ミート
大豆ミート(可食部100gあたり)のタンパク質と脂質の含有量は以下のとおりです。
タンパク質 | 46.3g |
脂質 | 3.0g |
参照:文部科学省「食品成分データベース」
肉に代わる大豆製品として、最近注目を集めているのが「大豆ミード」です。アミノ酸スコアが高い食品は動物性食品に多い傾向があります。しかし、「大豆」は植物性食品としては珍しくアミノ酸スコアが「100」でお肉と同等です。これが、大豆が“畑の肉”と呼ばれる理由となっています。
大豆ミートに含まれている大豆タンパクは、濃い味の食事・脂っこい食事が好きな方・いつまでも若々しくいたい方におすすめです。
大豆ミートは、ミンチタイプやフィレタイプ・ブロックタイプなどさまざまな種類があります。鶏ささみでは、料理のレパートリーが限られてしまいますが、大豆ミートであれば、いろいろなお肉もどき料理をヘルシーに楽しむことができるので、おすすめです。
>>大豆ミートを使用した高タンパクな絶品レシピを紹介
>>まるで鶏肉?大豆ミートを使った代替チキンレシピを紹介!
高タンパク・低脂質な大豆ミート「ライクチキン!?」という選択肢
「ライクチキン!?」(可食部100gあたり)のタンパク質と脂質の含有量は以下のとおりです。
タンパク質 | 19.7g |
脂質 | 2.8g |
前述したとおり、食品表示基準では100gあたり16.2g以上含有で「高タンパク」の表示が認められています。ライクチキンのタンパク含量は100gあたりなんと19.7gです。
心地よい歯ごたえとジューシーなおいしさが特徴的で、ほんのりスパイシーな味がついた新しい大豆ミートになります。
まるで本物のチキンのような食べ応えなのに、脂質は鶏もも肉とくらべて80%以上オフ、カロリーも約40%カットです!
レンジアップだけで食べられる手軽さもうれしいポイント(※)。
チンしてそのまま小腹がすいたときの栄養補給に、料理に時間をかけられない日の一品にピッタリ。忙しい毎日を頑張るあなたのためのおいしいセルフケア・ミールです。
※50gの場合、500W1分。機種により異なります
当コラムでは「ライクチキン!?」を利用した料理から軽食までさまざまなレシピを紹介しています。
普段の食生活に大豆ミートを取り入れようと考えている方はぜひご覧ください。
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高タンパク質・低脂質の食品を選ぶポイント
こちらでは、肉・魚・卵について、高タンパク・低脂質の食材を選ぶときのポイントをご紹介します。
肉を選ぶポイント
お肉を選ぶときは脂身の少ない部位を選びましょう。鶏肉は脂身が多いモモ肉ではなくムネ肉のほうが低脂質です。さらに皮を取り除くことで脂質を大幅にダウンすることができます。
>>鶏胸肉のタンパク質量は?筋トレにおすすめな食べ方や摂取のコツ
鶏肉・豚肉・牛肉で、皮や脂の有無・部位による栄養価の違いは以下のとおりです。
分類 | 食品(100g) | エネルギー (kcal) |
タンパク質(g) | 脂質(g) |
---|---|---|---|---|
鶏肉 | 鶏モモ肉(皮付き) | 190 | 16.6 | 14.2 |
鶏モモ肉(皮なし) | 113 | 19.0 | 5.0 | |
鶏ムネ肉(皮付き) | 133 | 21.3 | 5.9 | |
鶏ムネ肉(皮なし) | 105 | 23.3 | 1.9 | |
鶏皮(ムネ) | 466 | 9.4 | 48.1 | |
豚肉 | 豚ロース(赤肉) | 140 | 22.7 | 5.6 |
豚バラ(脂身付き) | 366 | 14.4 | 35.4 | |
牛肉 | 牛肉モモ(赤肉) | 130 | 21.9 | 4.9 |
牛モモ(脂身付き) | 196 | 19.5 | 13.3 | |
和牛ヒレ肉(赤肉) | 207 | 19.1 | 15.0 | |
和牛バラ(脂身付き) | 472 | 11.0 | 50 |
参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ご覧のように皮や脂身の少ない部位を選ぶことで、高タンパク・低脂質に近づけることができます。
魚を選ぶポイント
大部分の魚は高タンパク・低脂質な食品です。かつおは特にタンパク質が多い魚ですが、秋に獲れるかつおは、脂がのっているので脂質が多くなります。高タンパク・低脂質を重視するなら春の魚がおすすめです。
また、さんまなどの青魚は油が多く、カロリー過多になりやすいので注意しましょう。
食品(100g) | エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) |
---|---|---|---|
さんま(生) | 287 | 18.1 | 25.6 |
春獲りかつお(生) | 108 | 25.8 | 0.5 |
秋獲りかつお(生) | 150 | 25.0 | 6.2 |
参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
卵を選ぶポイント
卵は黄身に脂質が多いので、黄身を控えめにすることで、低脂質になります。
食品(100g) | エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) |
---|---|---|---|
全卵 | 142 | 12.2 | 10.2 |
鶏卵(卵黄) | 336 | 16.5 | 34.3 |
鶏卵(卵白) | 44 | 10.1 | Tr |
参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
通販で買える「高タンパク・低脂質」な食品3選
通販は、どこに住んでいても豊富なラインナップからお買い物できるのが魅力です。こちらでは、通販で買える「高タンパク・低脂質」な食品をご紹介します。購入金額によっては、送料負担が無くなる商品もあるので、あなたにピッタリな高タンパク・低脂質の食品を見つけてみてはいかがでしょうか?
大豆ミート商品
スーパーやコンビニなどの店頭でもよく見かけるようになった大豆ミートですが、通販サイトではより多くのラインナップが揃っていておすすめです。
大豆ミートを使用したハンバーグやカレー・餃子などバリエーションも増えています。自分で調理して、楽しみたい場合も、いろんな肉料理の代替えに対応できるように種類が豊富です。
大きく分けて3つの保存タイプがあり、水戻しと水切りが必要な「乾燥タイプ」・使いたい分だけ加熱調理してすぐ食べられる「冷凍タイプ」・水戻しが不要な「レトルトタイプ」があります。
形状は、「ミンチ」「フィレ」「ブロック」のタイプがあるので、使いやすい商品を選ぶとよいでしょう。
また、乾燥タイプの大豆ミートを美味しく食べるための戻し方は下記を参考にしてください。
プロテインバー
通販では、さまざまなメーカーからプロテインバーが販売されています。栄養価は高タンパク・低脂質の商品だけでなく、高タンパク・高脂質の商品もあるので注意が必要です。
1本40g~50gほどで15g~20g程度のタンパク質が補給できる商品が多く、「低脂質タイプ」では脂質が1g未満に抑えられている商品もあります。「低脂質」と書かれていない商品は、脂質が10g以上含まれている商品もあるので、脂質を抑えたい方は「低脂質」タイプを選びましょう。
ノンオイルのかつおフレーク缶
ノンオイルのかつおフレークの栄養価は、メーカーによってさまざまです。日本食品標準成分表(2020年版)を参考にすると100gあたりの含有量は、「「タンパク質18.4g、脂質2.7g」と表記されており、高タンパク・低脂質な食品といえるでしょう。
缶詰は長期保存ができるので、災害用の備蓄食にも重宝します。冷蔵庫のなかを占領せずにタンパク質食材をストックしておけるのはとても便利です。しかし、まとめ買いすると重くなるため、通販で自宅玄関まで届けてもらうとよいでしょう。
サラダにのせれば、野菜が食べやすく満足感もアップするのでおすすめです。
ダイエットにおすすめの調理法
調理方法を工夫することで、脂質を抑えることができます。基本的には、「揚げる>焼く>炒める>煮る・蒸す」の順に脂質が多くなることを覚えていきましょう。
焼く
フライパンで肉などを焼く場合は、出てきた脂をこまめにキッチンペーパーで拭き取りましょう。
さらに脂質をカットするには、油を使わず網焼きにする方法もおすすめです。
>>お肉を食べているみたい!大豆ミートのハンバーグレシピ
>>大豆ミートで作る低カロリー絶品餃子の作り方
茹でる
脂質の多い食品は下茹でや湯通しをすることによって、余計な脂肪分をカットすることができます。油の溶け出た煮汁は飲まないようにしましょう。
煮る
食材を煮ることでアクと一緒に脂質も浮かび上がってくるため、アクはこまめに取り除きましょう。塩分が気になる場合は、昆布や鰹節・煮干しなどの出汁を効かせることで、薄味でも美味しくいただけます。
>>大豆ミートを使ったカレー料理レシピを紹介
>>大豆ミートで作る絶品麻婆豆腐レシピを紹介
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揚げものの脂質カット術
油がたっぷりな揚げ物も工夫次第で、脂質をカットすることができます。
たとえば、揚げ物をするときに食材が吸い込む油の量は、食材や衣をつける量にもよりますが、一般的には「天ぷら>フライ>唐揚げ>素揚げ」の順に多くなるのです。 そのため、衣はなるべく付けない調理をおすすめします。また、唐揚げは片栗粉を米粉にすることで、薄づけになるので吸う油を半分にすることが可能です。
さらに、油と接する面が多いほうが油を多く吸ってしまうので、なるべく大きめにカットしましょう。
このほかにも、油を使わないのにサクサクっとした食感で揚げ物気分を楽しめる「ノンフライの揚げ物風」の調理法もおすすめです。カンタンな作り方をご紹介します。
- フライパンに油をひかないで、パン粉を入れきつね色になるまで炒る。
- 具材に炒ったパン粉を付ける。
- トースターで10分程度焼いたら完成。(ノンフライ調理のメニューがある電子レンジでもOK)
パン粉を使ったフライやコロッケなどにおすすめです。
まとめ
earth meatは、カラダのなかから美しく・健康を目指すあなたを応援しています。earth meatの大豆ミート「ライクチキン!?」は、まさに高タンパク質・低脂質の食品です。まるで、チキンを食べているみたいな美味しさに加え、チキンには少ない食物繊維をたっぷりと摂ることができます。
「ライクチキン!?」なら、気になるお肉の油も、季節によって跳ね上がってしまう魚の脂質も気にする必要はありません。いつでも安定した大豆タンパク質を手軽に摂取できます。
あなたのヘルシーライフに「ライクチキン!?」をとり入れて美と健康を目指しましょう。
以上より、大豆ミートのレシピや栄養バランスについて興味がある方は、下記のコラムをぜひお読みください!
ライクチキン!?のコラムでは、「サスティナブルフード(SDGs)とは?具体的な食事や取り組みを紹介」や「ヴィーガンとは?定義やベジタリアンとの違いについて」など、からだや地球のことを考えた食生活を応援する幅広い記事を公開しています。
気になる方は、「おすすめの関連記事」や「人気記事」からぜひチェックしてみてください。
LIKE CHICKEN!?のコラムでは、「高タンパク質・低脂質の食品を紹介!選び方やおすすめの調理法」や「ヴィーガンとは?定義やベジタリアンとの違いについて」など、からだや地球のことを考えた食生活を応援する幅広い記事を公開しています。
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